
手のひらの中で、あなたの時間〈とき〉を整える道具を。
財布や革小物は、鞄よりも近い距離で、毎日の暮らしと向き合う存在です。
ポケットから取り出す一瞬、支払いの前に触れる革の質感。
その小さな所作が、一日のリズムを整えてくれます。
服部が大切にしているのは、「使う人の時間が美しく見える道具であること」。
そのために、形も素材も、余白を残した静かな佇まいで仕立てています。

小さな道具が、暮らしのテンポをつくる
財布やキーケースは、触れる回数が最も多い道具かもしれません。
だからこそ、重さ、手触り、開閉の感覚など、毎日のテンポに自然に馴染むことを大切にしています。
長財布、二つ折り、コンパクトウォレット。
それぞれの形が、使う人の生活動線に合うように設計され、過不足のない機能だけが静かに並んでいます。

キャッシュレスの時代でも、財布がなくならない理由
キャッシュレスが進み、「財布を持たない」という選択が広がっています。
それでも私たちが財布づくりを続けるのは、財布という道具には人が暮らしを整えるための所作が残っているからです。
お札を折らずにきれいに入れること。
いざという時のために、少しだけ現金を持ち歩くこと。
カードを整えて収納し、必要なものを見直すこと。
これらは、自分の生活を整える小さな儀式のようなものです。
財布は「安心」と「準備」を形にする道具でもあります。
キャッシュレスにどれだけ移行しても、持っているだけで心が落ち着く存在。
その静かな役割を、服部の財布と小物づくりは大切にしています。

理想の形をつくるために、海外の工房を選んだ理由
財布や小物には、鞄とはまた違う精密さが求められます。
コバの処理、縫製の均一さ、革の張りや厚みの調整。
それらを最も美しく実現するために、シリーズごとに最適な工房を選んでいます。
GGシリーズとWDシリーズはベトナムで製作しています。
INシリーズではイタリアンヌメ革を使用し、インドの工房で縫製しています。
これはコストのためではなく、そのシリーズにふさわしい技術を優先した選択です。
どこの国でつくるかではなく、その形をもっとも美しく仕立てられる手を選ぶこと。
それが服部の財布づくりの考え方です。
シリーズごとの生まれ方
・GGシリーズ(ベトナム製)
エレキギターの陰影から着想したシリーズです。
シャドーは職人が一本ずつエアブラシで吹き付ける手作業で仕上げています。
同じ型でも表情が異なる唯一性を持ちます。
・WDシリーズ(ベトナム製)
クラシックギターの木目をモチーフに、革の上へ刷毛で木目を描く工程を加えています。
手仕事ならではの揺らぎがあり、温かい表情をつくります。
・INシリーズ(イタリアンヌメ革 × インド製)
上質なイタリアンレザーのヌメ革をインドの工房で縫製したシリーズです。
使うほどに深い色へ育ち、持つ人の時間を映す革として人気があります。
おわりに
毎日触れる小さな道具には、その人の時間のリズムや価値観がにじみます。
どんな暮らしでも、財布や小物は生活とともに呼吸する相棒のような存在です。
革が手になじむ感覚。
使い込むほど深まる表情。
生活に寄り添う形。
そのすべてが、あなたの一日を少しだけ前へ進めてくれます。





