UGダレス(CROSSROAD UG Dulles)前編
The Vessel for Time and Travel CROSSROAD UGダレスという「器」

〜 旅と〈時|とき〉の話 〜
私たちが言う「器」とは、料理を盛る器でも、暮らしを整える器でもありません。
旅の時間〈とき〉と、持ち主の記憶を受け止めるための“器”。
CROSSROAD UGダレスは、そのために生まれました。
これを持って旅に出る。
〈時|とき〉のたびに。
人生は旅。
私たちは、皆それぞれの「〈時|とき〉の旅人」です。
毎日繰り返される日常も、仕事へ向かう道も、ほんの少し視点を変えれば、すべて小さな旅になる。

CROSSROAD UGダレスは、その“日常”を、ほんの一つの所作で“旅”へと昇華させるための道具です。
留め具を外す、革の重さを受け取る。
それだけで、今日という時間〈とき〉が、「こなす一日」ではなく、「進んでいく旅」に変わっていく。
この所作は、便利さのためでも、速さのためでもなく、暮らしそのものを“アッパーな時間〈とき〉”へ引き上げるための行為。
CROSSROAD UGダレスは、「使うための鞄」ではなく、「構えて使う鞄」として設計されています。
ファスナーを開けるのではなく、留め具を外す。
片手で済ませない。
ほんの一瞬、姿勢が変わる。
その一拍が、人の意識を、“作業”から“行為”へ引き戻します。
だからこのダレスは、急ぐ人の背中をせかしません。
整わないまま走り出す手を、一度だけ、止めます。
中に入れるのは、書類でも、端末でも、道具でもない。
その日、その人が使う「意志」そのものです。
決断の重さ、責任の質、覚悟の温度。
CROSSROAD UGダレスは、それらが乱れないように、内部の寸法と重心を組み上げています。
軽すぎず、重すぎない。

このわずかな抵抗感が、人の集中をつくり、自分の輪郭を取り戻させる。
新品のとき、この鞄はまだ完成していません。
使われ、迷い、立ち止まり、また歩き出す。
時間〈とき〉の中で、少しずつ形を持っていきます。
持ち手の艶、角の丸み、革の波打ち。
それらはすべて、その人が生きてきた時間〈とき〉の痕跡です。
